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「あの時代」を学ぶ軌跡
戦後70年を迎える2015年(平成27年)、私も50歳となります。
「あの時代」を学ぶ、自らの軌跡を記録していきたいと思います。(2015/4/1)
年月 種類 タイトル 著者等 その他 感想など
2015.5 書籍 地ひらく 石原莞爾と昭和の夢 福田和也 文春文庫 石原莞爾が行った歴史的事実を知るために、この本を手に取りました。当時の社会背景、国内外の政治的な動きについても丁寧に描写されており、勉強になりましたが、石原莞爾の賛美の姿勢が強すぎるところに違和感を持ちました。
2015.4 書籍 米内光政 阿川弘之 新潮文庫 ノモンハンの夏のあと、この本を手に取りました。身体を張ってあの戦争を抑止しようとし、また、悲惨な結果にたどり着いたあの戦争を終わらせることに、多大な貢献をこの提督がされたことを知りました。山本五十六元帥よりも、米内光政提督の名前を記憶に刻むべき、と、私は思います。
2015.3 書籍 ノモンハンの夏 半藤一利 文春文庫 辻 政信、服部卓四郎、陸軍参謀本部作戦課、国民世論を嫌英に誘導したもの、について、知りました。この本を読んで、司馬遼太郎氏がノモンハン事件を調査しながら、本にしなかったのは、氏が自ら、愛する日本を貶めることになりたくなかったから、と感じました。
2015.2 書籍 零式戦闘機 柳田邦男 文春文庫 柳田邦男氏らしい、大量の資料を丹念に読み込まれ、また、生存されていた、たくさんの関係者にもインタビューをされた力作と思いました。高校生のときの読んだ「零戦燃ゆ」を読みなおすつもりです。
2015.2 書籍 南京事件 秦 郁彦 中公新書 秦氏の努力による、客観的、科学的調査の結果をみて、多数の中国人が殺害されたことは間違いない事実だと確信しました。南京事件が、「大虐殺」だったのか「虐殺」だったのか、という問題は、被害者数の定義の問題と思います。
2015.1 書籍 伊号潜水艦ものがたり 槇 幸 光人社NF文庫 当時の潜水艦乗り組み員の生の生活、そして、奮闘が生き生きと描かれていて、興味深かったです。
2015.1 書籍 「靖国」という悩み 保阪正康 中公文庫 いまだに、日本の政治と社会に「トゲ」のように刺さっている靖国神社の問題、なぜ、問題となっているのか、どのような経緯があったのか、昭和天皇の想い、また、A級戦犯の合祀に踏み切った当時の宮司松平永芳氏の判断について、知ることができました。
2014.12 書籍 蛍の航跡 帚木蓬生 新潮文庫 私の大先輩たちでもある軍医たちが、あの戦争の厳しい戦いの場で、どのような日々を過ごしていたのか、ということを垣間見ることができました。インパール作戦で無断の撤退命令を出し「抗命」の罪に問われた第31師団の佐藤幸徳中将の精神鑑定を行った精神科を専門とする軍医の手記が興味深かったです。
2014.9 書籍 終わらざる夏 浅田次郎 集英社文庫 浅田次郎氏の作品は、いくつか読んできていますが、この作品では、戦争中であっても、戦場から遠く離れた千島列島での静かな日々を生き生きと描き出しておられ共感を持てました。その後の、ポツダム宣言を受け入れて、昭和20年8月25日の旧日本軍の戦闘終了後に、北方領土でも旧ソ連軍による軍事行動が行われたこと、詳しく知ることができました。いつか、現地を訪れてみたいと、思いました。
2014.8 書籍 あの戦争から何を学ぶのか 保阪正康 講談社文庫 あの戦争を終わらせることになった「ポツダム宣言」、その後の「東京裁判」などから、何を学ぶべきか、その指針を教えていただきました。「あの戦争から何を学ぶべのか」、しっかりと心に留めていきたいと思います。
2014.8 書籍 東京裁判 日暮吉延 講談社現代新書 今の日本の出発点となった文書は「ポツダム宣言」と思いますが、それを受け入れたことから、戦勝国による戦争裁判が行われました。その結果を受け入れることが、現代の国際社会における日本人の立ち位置となっていると思います。
2013.12 書籍 マンチュリアン・リポート 浅田次郎 講談社 あくまでも、フィクションとして読みましたが、興味深かったです。「マンチュリアン・リポート」というタイトルから、最初、満州事変のリットン調査団の報告書を連想しました。それが、当時の国際連盟を脱退することにつながったのです。
2013.8 書籍 大政翼賛会に抗した40人 楠 精一郎 朝日選書 戦後日本を再建させる原動力となった有力政治家が、あの戦争中にどのような政治的行動をとっていたのか、を知ることができました。大政翼賛会体制に対抗して無所属を通した政治家がいて、様々な妨害にもくじけず政治活動を継続し、また、それを支持した国民の存在があったことを知りました。
2012.8 書籍 海と毒薬 遠藤周作 新潮文庫 大変、重苦しい内容ですが、現代日本人として、また、医師として知らねばならない歴史事実と思っています。映画を先にみてから、原作を手に取りました。常軌を逸した医師たちの行動の原因、当時の社会情勢、軍部の圧力を、大学内の政治力学が招き入れてしまった、ということ、と思いました。ということは、過去の話とも言い切れない、と感じました。遠藤周作氏の、キリスト教と日本人との関係についての著作を読んだことを思い出しました。
2011.8 書籍 硫黄島に死す 城山三郎 新潮文庫 著者の戦争体験も踏まえた、全7編の短編集。あの戦争で、旧日本軍が実際に何をしたのか、という歴史的事実は、このようなたくさんの著作で消すことができない事実になっているはずです。硫黄島の激戦で命を落とした西中佐については、以前から知っていましたが、改めて、知ることができました。
2010.8 書籍 大本営参謀の情報戦記 堀 栄三 文春文庫 旧日本軍は、情報戦に負けた、と言われていますが、情報を集めることはきちんとしていたようで、ただそれをきちんと分析して、作戦計画に生かす、ということを全く軽視していた、ということのようです。当時の戦争指導者たちの無責任さには、本当にあきれてしまいます。
かなり以前で、時期不明の書籍
  書籍 空気の研究 山本七平 文春文庫 日本人、日本人社会の普遍的な根本原則かと思われる「空気」について、知ることができました。あの時代を覆っていたものでもありますが、現代に生きる私たちの社会にも変わらず息づいていると思いますと、背筋が寒くなりました。
  書籍 野火 大岡昇平 新潮文庫 高校生のとき
  書籍 生きている兵隊 石川達三 中公文庫 高校生のとき
  書籍 真空地帯 野間 宏 新潮文庫 高校生のとき
年 月 TV番組 タイトル 放送局 放送日 感想など
2016.3 TV番組 ETV特集 名前を失くした父 NHK 2016.3.25 旧日本海軍の特攻兵器「桜花」を発案したとされる太田正一氏の息子さんをとりあげた秀作のドキュメンタリー。NHKは死んでいないと思いましたが、戦後70年の年の8月に、NHKスペシャルとして、放送できなかったものか、と、少し残念には思いました。 私は、あの戦争では、何も知らされず、信じるものに対して、ただただ、純粋に命をかけて戦った、若者たち、と、すべての状況を知った上で、無垢の若者達を死においやり、しかも、責任転嫁をしている命令者たち、とは、明確に分けて考える必要がある、と、思っています。つまり、被害者と加害者、の関係にある、と、思います。
2015.12 TV番組 ETV特集 それはホロコーストのリハーサルだった〜障害者虐殺70年目の真実 NHK 2015.11.13 治療法のない精神病患者や障害者を殺害するほうが、国家や家族のためになる、という考え方、当時の医師などの医療スタッフが率先して、患者たちを殺害していた、という。ヒトラーの命令によるもの、というより、その後、国民の間で反対意見が広がたったため、ナチス政府が殺害作戦を中止しても、各精神病院で、医師たちの独自の判断で、殺害が続けられていた、という。「どんな悪行にも、必ず前触れがある」との言葉、大切にしたいと思います。
2015.12 TV番組 NHKスペシャル 新・映像の世紀「第3集 時代は独裁者を求めた」 NHK 2015.12.20 この時代背景、知識はかなり持っているつもりでしたが、この番組をみて、初めて知ったことがいっぱいでした。ナチスの台頭によるドイツの経済復興に、アメリカの起業家や投資家たちが深く関わっていたこと。特に、反ユダヤ主義を隠さないヘンリー・フォード。アメリカの大戦不介入の空気は、ドイツの拡大を望んでいた、という。それをぶち壊したのは、日本の真珠湾攻撃だった。
2015.10 TV番組 NHKスペシャル ”終戦”知られざる7日間 NHK 2015.8.16 歴史の記録から埋もれていた、玉音放送から大本営戦闘停止命令までの7日間を掘り起こす、NHKスペシャルらしい精力的なドキュメンタリーでした。感動しました。
2015.9 TV番組 NHKスペシャル 作家山崎豊子〜戦争と人間を見つめて〜 NHK 2015.9.27 政府与党が、中国の脅威を強調しながら、安保法案を成立させたあと、NHKは、こんな番組を放送しました。仲代達矢さんが番組の中で言っていたように、山崎豊子さんが生きていたら、社会に向かって、なんと言っていただろうか、と、思いをはせながら、視聴しました。NHKの番組スタッフの勇気と努力に経緯を表したいと思います。
2015.9 TV番組 幻の巨大潜水艦 伊400 NHK 2015.8.23 知っているつもりになっていた旧日本海軍の伊400潜水艦について、新たに知識を得ることができました。この巨大潜水艦の建造プロジェクトには、山本五十六長官が関わっていたことも。
2015.8 TV番組 NHKスペシャル 女たちの太平洋戦争〜従軍看護師 激戦地の記録〜 NHK 2015.8.13 戦後70年、90歳前後の元従軍看護師たちの実体験から語られる言葉から、大変な経験をされておられることが伝わりました。涙が出ました。
2015.8 TV番組 NHKスペシャル 特攻〜なぜ拡大したのか〜 NHK 2015.8.11 あの戦争の末期、特攻を命じた司令官たちと、実際に命を捧げた若者たちとの間には、大きな隔たりがあった、と、思いました。
2015.8 TV番組 NHKスペシャル きのこ雲の下で何が起きていたのか NHK 2015.8.6 原子爆弾が爆発した直下の街で、いったい何が起きたのか、明らかにしようとする努力、大切かもしれません。また、想像力というものも大事と思います。
2015.6 TV番組 NHKスペシャル 沖縄戦の全記録 NHK 2015.6.14 戦後70年、NHKスペシャルらしい、すばらしい力作でした。非戦闘員である沖縄県民に機関銃により、大量に殺害したという90歳を超えた元海兵隊員が、テレビカメラの前で嗚咽していた映像が忘れられません。
2015.3 TV番組 千の証言 私の街も戦場だった TBS 2015.3.9 日本を空襲したアメリカ軍の戦闘機のガンカメラ映像をもとにした番組。涙無くして見られませんでした。
2015.3 TV番組 天皇のそばにいた男 鈴木貫太郎 NHK 2015.3.4 2.26事件で銃撃されたものの、一命をとりとめ、その後、あの太平洋戦争で最後の首相を務め、悲惨な戦争を終結に導いた英雄と思います。
2014.8 TV番組 狂気の戦場 ペリリュー NHK 2014.8.19 ペリリュー島の戦いについては、この番組をみるまで、よく知りませんでした。素晴らしい番組でした。これからも、このような番組を作り続けて欲しい、と、NHKには望みます。
2014.8 TV番組 山本五十六の真実 NHK 2014.8.11 山本五十六の同級生、堀禎吉が残した資料をもとに素晴らしいドキュメンタリーでした。堀将軍が予備役に追い込まれなければ、あの戦争は防げたかもしれません。
2014.8 TV番組 昭和維新の指導者たち〜北一輝と大川周明〜 NHK 2014.8.4 北一輝と大川周明について、ほとんど知りませんでした。2.26事件と北一輝について、知ることができました。NHKの放送センターの敷地内にあるという2.26事件の処刑者たちの碑を見に行きたいと思っています。大川周明が戦後、A級戦犯に問われたことは知っていましたが、2人の思想とその背景について、知ることができました。
2014.7 TV番組 兄はスパイじゃない〜北大生の妹 73年の苦闘〜 NHK 2014.7.15 あの戦争中に行われていた、社会の思想統制、特高警察の働きについて、市民生活への圧迫という視点から作られた、秀作のドキュメンタリーと思います。
年 月 映 画 タイトル 監督 制作年 感想など
2016.1 映画 母と暮らせば 山田洋次 2015 素晴らしい映画でした。戦争や原爆の非人道性を、普通の人々の日常の暮らしを丹念に描くことで訴えていく。故黒木和雄監督の「父と暮らせば」「TORROW~明日」を合わせたような映画でした。
2015.12 映画 FURY フューリー デヴィッド・エアー 2014 戦争の非人道性、殺戮兵器に変わっていく兵士の心理を丁寧に描いていた、と、思います。また、ナチスの親衛隊SSを嫌悪する脚本になっていました。しかし、あの時代、ナチスを歓迎したのもドイツ国民でした。
2015.12 映画 杉浦千畝 チェリン・グラック 2015 わたしたち日本人は、昭和16年12月8日に開戦、と記憶していることが多いと思いますが、欧州においては、昭和8年頃から、ナチスドイツの台頭、ドイツとソ連の接近、ポーランドの分割と、戦争の足音が近づいている状況が、しっかりと描かれていたと思います。
2015.10 映画 ヒトラー暗殺、13分の誤算 オリバー・ヒルシュビーゲル 2015 ヒトラーの暗殺を試みた人物についての評伝映画で、あと、アルトゥール・ネーベというドイツ秘密警察の幹部が重要な役どころ、でした。今の日本社会が、ナチスが台頭した時代に似ているのではないか、と、感じているので、いろいろ、考えさせられる映画でした。ヒトラーの危険性に、なぜ、もっと早くに気づけなかったのか、ということですが、結局、沈黙する大衆に、一番、責任があると思っています。
2015.9 映画 日本のいちばん長い日 原田眞人 2015 岡本喜八監督の作品のリメイクですが、鈴木貫太郎内閣の発足から描かれ、昭和天皇のセリフやシーンもより多く、楽しめました。
2015.8 映画 父と暮らせば 黒木和雄 2004 黒木和雄監督の戦争レクイエム三部作の三本目。井上ひさしの演劇舞台作品の映画化。
2015.7 映画 野火 塚本晋也 2015 主演の塚本監督の迫真の演技、特に、真っ黒な顔に、目だけが白く光る、亡霊のような敗残兵の姿、目に焼き付いて、離れません。撮影も編集も監督自身によるもので、すばらしい渾身の作だと思いました。戦争の現実を直視する、歴史をしっかりと見つめることの大切さを改めて実感しました。
2015.7 映画 おかあさんの木 磯村一路 2015 軍隊にとられた7人の息子の無事を祈って、1本ずつ木を植えた母親。息子たちの帰りを待つ7本の木と母の姿をていねいに描いていました。
2015.6 映画 炎の戦線エル・アラメイン エンツォ・モンテレオーネ 2002 勇敢に戦った戦士だけが戦場にいる兵隊ではありません。日常の普通の人々が戦場で戦い、その命を落とします。
2015.6 映画 美しい夏キリシマ 黒木和雄 1988 黒木和雄監督の戦争レクイエム三部作の二本目。素敵な映画でした。
2015.6 映画 TOMORROW 明日 黒木和雄 1988 黒木和雄監督の戦争レクイエム三部作をきちんと見なければ、と思っています。
2015.5 映画 ヒトラー 〜最期の12日間〜 オリヴァー・ヒルシュビーゲル 2004 ヒトラーのナチスドイツの最後、首都に敵国軍が侵攻するとはどういうことか、を丹念に描いた映画です。
2014.12 映画 人間魚雷回天 松林宗恵 1955 戦後10年で製作された映画。あの非人道的な特攻兵器を国民に知らしめることになった映画を、当時の映画人たちがどんな思いで製作したか、を、考えながらみました。
2014.12 映画 海軍特別年少兵 今井 正 1972 昭和18年、まだ14歳の少年たちが海軍に入団し、厳しい訓練を経て、成長するドラマとして描かれています。しかし、硫黄島の激戦に投入され、生きて帰ることがなかった、というストーリィになっています。
2014.8 映画 トラ・トラ・トラ! リチャード・フライシャー、舛田利雄、深作欣二 1970 あの戦争がどのように始まったのか、ということ、特に、真珠湾攻撃という一点に絞っての日米合作映画ですが、日本側の視点がしっかりと作り込まれていた、公平な映画と思います。
2013.8 映画 キャタピラー 若松孝二 2010 もう、こういう映画は製作されないような気がします。日本社会が変化して、すでに、ある曲がり角を完全に回ったように感じるのです。若松孝二監督のご冥福をお祈りしています。
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